白内障という一つの疾患に絞り、基礎知識から術後の生活までを患者視点で並べた情報ポータルです。運営は My Choice株式会社、記事の監修は眼科専門医が担当しています。
白内障は、加齢とともに多くの人が向き合うことになる目の疾患です。それだけに情報の総量は多いのですが、患者側から見ると、必要な情報が「基礎知識のページ」「手術の説明」「レンズの選び方」「術後の注意」とばらばらの場所に散らばっていて、検討の順番どおりに読み進められないという問題がありました。白内障ナビは、この分断を解消することを出発点にしています。
そのため本サイトでは、扱う疾患を白内障ひとつに絞りました。総合的な医療情報メディアではなく、一疾患の検討プロセスを最初から最後まで支える構成にしたということです。診断を受けた直後の「これは何なのか」という疑問から、手術を終えたあとの「いつから何をしてよいのか」まで、読者が置かれる状況の順に章を並べています。
基礎/症状/検査/治療/眼内レンズ/手術/術後/FAQ/用語集の9つを、疾患の分類ではなく患者が知りたくなる順に並べています。
図1:診断から術後までの流れに沿って章を配置する
情報設計でいちばん時間をかけたのは、章の粒度と並び順です。医学的な分類をそのまま持ち込むと、読者にとっては「自分がいまどこを読むべきか」が分からない構造になります。そこで、診断直後・治療の検討・手術の前後という時間軸を主軸に据え、いつでも立ち返れるFAQと用語集を横断的な参照先として置きました。
この構成は、検索から入ってきた読者にも効きます。多くの読者は目次からではなく、症状名や術式名の検索結果から個別ページに直接到達します。そのため各ページには、いま読んでいる内容が全体のどこに位置するのかと、次に読むべき章への導線を持たせています。
記事の監修は、日本眼科学会専門医であり相模原眼科 院長でもある岡野 喜一朗 医師が担当しています。監修を経たページには、記事内に監修者の署名を掲載しています。
健康や医療の情報は、検索エンジンからも読者からも、書き手が誰かを厳しく問われる領域です。とりわけ患者向けの疾患情報は、誰が内容を確認したのかが分からなければ、正しく書かれていても信頼の対象になりません。白内障ナビでは、この点を制作の前提条件として扱いました。
具体的には、疾患解説の中核となるページを公開前に眼科専門医の確認に通し、確認を経たページにだけ記事内に監修者の署名を掲載しています。サイト全体に「監修あり」と一括で表示するのではなく、監修を経たページにそのページ単位で署名を置く形にしているため、読者はいま読んでいる記事について確認済みかどうかを判断できます。
図2:公開までの工程と、監修が入る位置
監修を工程として組み込むと、公開までのリードタイムは確実に伸びます。それでもこの形を選んだのは、患者向けの疾患情報において、速く出すことより確認済みであることのほうが読者に対する価値が大きいと判断したためです。自社メディアだからこそ、この判断を妥協せずに試すことができました。
厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」の公開データをもとに全国の眼科医療機関を掲載し、47都道府県から絞り込める検索機能を用意しました。
疾患について調べ終えた読者が次に知りたいのは、「では、どこで診てもらえるのか」です。ここで情報が途切れると、読者はまた別のサイトを一から探し直すことになります。白内障ナビでは、この続きを同じサイト内で受け止められるようにしました。
掲載データの出所は、厚生労働省が公開している医療情報ネット(通称・ナビイ)です。特定の医療機関と個別に提携して掲載する方式ではなく公開データを土台にしているため、掲載の網羅性が営業上の都合に左右されません。読者は47都道府県から地域を絞り込んで、自分の生活圏の眼科を探せます。
図3:医療機関検索の組み立て
疾患の解説と医療機関の情報を同じサイトに持たせる構成は、読者にとっての利便性だけでなく、サイトの役割を「読んで終わり」から「調べて動ける」へ変える意味を持ちます。制作側の視点で言えば、記事と検索という性質の異なる2種類のページ群を、破綻なく同居させる情報設計が求められる部分でした。
効果を保証する表現や他院との優劣を示す表現を用いないこと、論文・記事の原文をそのまま引用しないことを、編集方針として明文化しています。
医療に関する情報を扱うサイトでは、書きたいことより書いてよいことの範囲が先に決まります。白内障ナビでは、その範囲をあらかじめ編集方針として言語化し、記事を書き始める前の共通ルールとして運用しました。
3つ目は、医療メディアでとくに崩れやすい点です。学会発表や論文の話題は読み物として魅力的ですが、そのまま患者向けに書くと「もう受けられる治療」と読まれてしまいます。どの段階の情報なのかを本文の中で明示することを、方針として固定しました。
この編集方針は、医療機関のWebサイト制作でも同じ論点として現れます。表現の可否をどこで線引きするか、根拠をどう示すかは、公開してから直すのではなく設計段階で決めておくべき事柄です。医療機関のSEOにおけるガイドライン対応の考え方はクリニック・病院のSEO対策のページでも扱っています。
Next.js(App Router)とTypeScriptで構築し、スタイルはTailwind CSS、配信はCloudflare Pagesという構成です。
白内障ナビは受託案件ではなく、My Choice株式会社の自社メディアです。クライアントのサイトでは試しにくい設計上の判断 ― 監修工程を公開の関門として組み込む、提携ではなく公開データで医療機関情報を持つ、編集方針を先に明文化する ― を、自社の責任で実行できる場として位置づけています。ここで得た知見は、医療機関のWebサイト制作やSEOのご支援にそのまま活かしています。
本ページは当社の自社メディアに関する制作事例です。クライアント事例ではありません。掲載内容は制作した機能・体制・方針の紹介であり、集客成果を示すものではありません。