Google 2026年6月スパムアップデート徹底解説|5月コアアップデートからの流れと回復手順
2026年6月24日、Googleは「June 2026 Spam Update(2026年6月スパムアップデート)」の展開を開始し、わずか2日ほどで完了させました。5月下旬から6月頭にかけて展開されたコアアップデートの余韻が残るなかでの連続実施となり、「先月から順位が落ちたが、どちらの影響なのか分からない」という相談が、医療機関や店舗ビジネスのWeb担当者から急増しています。本記事では、海外の一次情報を複数照合したうえで、今回のスパムアップデートで確認されている事実、5月コアアップデートから続く評価傾向の変化、そして医療・飲食・店舗ビジネスが今すぐ確認すべきポイントと回復手順を、MyChoiceの実務視点で整理します。「うちは怪しいことはしていないから関係ない」と思っている方ほど、AI活用でコンテンツを量産している場合は注意が必要な内容です。
何が起きたか:6月24日開始、約2日で完了した「2026年2回目」のスパムアップデート
まず、確認されている事実を整理します。Search Engine Landの報道によると、今回のアップデートは米国東部時間6月24日の正午頃に開始され、6月26日午後に完了したと報告されています。展開期間は約2日間と、通常「数日〜1週間程度」とされるスパムアップデートのなかでも短期間で完了した部類です。対象は全言語・全地域で、日本語の検索結果も例外ではありません。
今回は2026年3月のスパムアップデートに続く、年内2回目のスパムアップデートです。新しいスパムポリシーの追加はなく、既存ポリシーの検出精度を高める更新だったとされています。Googleのスパム対策は「SpamBrain」と呼ばれるAIベースの自動検出システムが中核を担っており、スパムアップデートとはこの検出システムの改良を指します。具体的な検出対象は、Googleが公開しているスパムポリシーに列挙されている行為、すなわち検索順位の操作を主目的とした大量の低品質ページ生成(スケールドコンテンツアビューズ)、クローキング(検索エンジンとユーザーに異なる内容を見せる行為)、無断複製コンテンツ、誘導ページなどです。
一方で、Search Engine Roundtableは、Googleへの確認として「今回のアップデートはリンクスパムやサイト評判の悪用(サイトレピュテーションアビューズ)を対象としていない」と報じています。また、体感的な変動規模については「3月のスパムアップデートよりやや大きい」との観測が同メディアで紹介されていますが、コアアップデートほどの広範な変動ではない、というのが海外SEOコミュニティの大方の見方です。
ここで重要なのは、スパムアップデートとコアアップデートの性質の違いです。コアアップデートが「コンテンツの品質評価そのものの見直し」であるのに対し、スパムアップデートは「ポリシー違反の検出強化」です。つまり、スパムアップデートで順位が大きく下落した場合、それは品質評価の相対的な低下ではなく、自社サイト(あるいは自社が依頼した業者の施策)の何かがスパムポリシー違反と判定された可能性が高い、ということを意味します。医療機関や店舗ビジネスの場合、自覚がないまま外注先の施策が違反に該当しているケースが少なくないため、この違いの理解が対応の出発点になります。
5月コアアップデートからの流れ:連続アップデートが示す評価傾向
今回のスパムアップデートを単体で見るべきではありません。直前の5月21日には「May 2026 Core Update」が開始され、約12日かけて6月2日に完了しています。つまりGoogleは、約1ヶ月のあいだに「品質評価の見直し(コア)」と「違反検出の強化(スパム)」を続けて実施したことになります。
5月コアアップデートの傾向については、海外で複数の分析が公開されています。国際SEOコンサルタントのAleyda Solis氏の分析では、検索意図・対象市場・情報源タイプへの適合度が高いサイトに可視性が移動したと報告されており、権威ある一次情報源や、ユーザーがタスクを完結できるサイトが伸びた一方、独自性の乏しいサイトが大きく順位を落とした事例が紹介されています。また、実体験の裏付けがないAI生成のレビュー・比較記事を量産していたアフィリエイト系サイトの多くで下落が観測された、という調査報告も複数のSEOメディアで取り上げられています。総じて「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)と整合したサイトが好調だった」というのが、海外の分析に共通する見立てです。
この流れを踏まえると、6月スパムアップデートの位置づけが見えてきます。5月コアで「独自の経験・専門性に乏しいコンテンツ」の評価が相対的に下がり、6月スパムで「順位操作を目的とした量産コンテンツ」が違反として検出強化された。方向性は一貫しており、生成AIの普及で誰でも大量のページを作れるようになった時代に対し、Googleが「量ではなく、実体験と専門性」への評価軸を明確化している、と解釈できます。なお、Googleは一貫して「AIで作られたこと自体は問題ではない」という立場を示しており、問題視されるのはあくまで「検索順位の操作を主目的とした、価値の乏しいページの大量生成」です。AI活用そのものを止める必要はありませんが、「AIに書かせてそのまま公開」を繰り返してきたサイトは、今回の連続アップデートの影響を最も受けやすい構造にあると見られます。
MyChoiceの支援現場でも、この1ヶ月は「コラムを外注で月30本量産していたクリニックサイトの流入減」「AIで作った地域名×メニュー名の量産ページが検索結果から消えた店舗サイト」といった相談が目立ちます。逆に、医師や店主が監修し、現場の一次情報を盛り込んだ記事を着実に積み上げてきたサイトは、この連続アップデートでむしろ順位を上げているケースが確認できています。
医療・飲食・店舗ビジネスへの実務影響:他人事ではない3つのリスク
「スパムアップデートは悪質サイトの話」と考えがちですが、医療機関・飲食店・店舗ビジネスにも現実的なリスクがあります。代表的なものを3つ挙げます。
リスク1:AI量産コラムが「スケールドコンテンツ」と判定される
集患・集客目的で「とにかく記事数を増やす」方針を取っているサイトは要注意です。特に、AIツールで生成した記事を監修なしで大量公開している場合、1本1本は無害でも、サイト全体として「独自性のないページの大量生成」というパターンに該当する可能性があります。医療分野はYMYL(お金や健康に関わる領域)としてもともと品質基準が厳しく、監修者不在の量産コラムはコア・スパム両面からのリスク要因になります。記事は「数」ではなく、院長・スタッフの知見が入った「独自性」で勝負すべき局面です。
リスク2:「地域名×サービス名」のテンプレ量産ページ
「〇〇市 インプラント」「〇〇駅 ランチ」のような地域名だけを差し替えたほぼ同一内容のページを数十〜数百件作る手法は、以前から誘導ページ(ドアウェイページ)としてポリシー違反に該当し得るものでした。検出精度が上がった今、この種のページ群はサイト全体の評価を巻き込んで下落する危険があります。店舗ごとに実態のある情報(写真・スタッフ・アクセス・その店舗の症例やメニュー)を備えたページに作り替えるか、実態を用意できないページは思い切って整理することをおすすめします。
リスク3:外注SEO施策のブラックボックス化
今回のアップデートではリンクスパムは対象外と報じられていますが、スパムアップデートは今後も繰り返されます。「何をしているか分からないが順位が上がるSEO業者」に依頼している場合、量産ページの生成や不自然なリンク構築が行われていないか、施策内容の開示を求めるべきタイミングです。違反施策のツケは業者ではなく、自社サイトが払うことになります。
なお、今回の変動はGoogle検索の通常結果(およびAI Overviews等への引用元評価)に関わるもので、Googleマップのローカル検索順位への直接的な影響は限定的と見られます。ただし、サイトの評価低下は中長期的にローカル検索の「視認性」評価にも波及し得るため、MEOに注力している店舗も無関係ではありません。
今やるべきことチェックリスト:影響確認から回復手順まで
以下の手順で、影響の有無の確認と対応を進めてください。
- 影響の有無を日付で切り分ける:Google Search Consoleの検索パフォーマンスで、5月21日〜6月2日(コア)と6月24日〜26日(スパム)の前後を比較します。どちらのタイミングで下落したかで、対応方針が変わります。
- 6/24以降の急落なら、スパムポリシーを総点検:量産ページ、コピー・引用主体のページ、クローキングに類する実装(ユーザーに見せていないテキスト等)、外注施策の内容を確認します。心当たりのある違反要素は削除・修正します。
- 5月末の下落なら、品質面の見直し:コアアップデート由来の下落は違反ではなく相対評価の変化です。下落ページの検索意図適合、一次情報・監修情報の追加、薄いページの統合・改善を進めます。
- 低品質ページの棚卸し:流入も役割もないページが大量にある場合、改善するページと、統合・削除するページを仕分けします。「全ページがサイトの評価に寄与しているか」の視点で整理します。
- 監修体制・運営者情報の明示:特に医療系は、記事ごとの監修者表記、院長・スタッフの経歴、運営者情報を整備し、「誰が責任を持つ情報か」を明確にします。
- 焦って小手先の対処をしない:Googleは、改善後も自動システムが数ヶ月かけてサイトの遵守状況を再学習すると案内しています。数週間で戻らないのは異常ではありません。記事の一斉削除やドメイン変更などの極端な対応は、かえって回復を遠ざける恐れがあります。
- 変動していない場合も「量産依存」を見直す:今回無傷でも、コア→スパムの連続実施が示す方向性は明確です。今後のコンテンツ計画を「本数」から「独自性・専門性」ベースに切り替えておくことが最大の防御になります。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 順位が下がりました。コアとスパムのどちらの影響か分かりますか?
A. Search Consoleで下落開始日を特定するのが最も確実です。5月21日〜6月2日の間なら5月コアアップデート、6月24日以降の急落なら6月スパムアップデートの影響が疑われます。両方のタイミングで段階的に下落している場合は、品質と違反の両面での見直しが必要です。
Q2. AIで記事を書くのはやめるべきですか?
A. やめる必要はありません。Googleは制作手段ではなく「検索順位操作を目的とした価値の乏しい量産」を問題視しているとされています。AIを下書きに使い、現場の一次情報と専門家の監修を加えて仕上げる運用であれば、むしろ効率と品質を両立できます。「生成したまま無監修で大量公開」だけは避けてください。
Q3. 回復までどのくらいかかりますか?
A. スパムアップデートからの回復は、違反要素を解消したうえで、Googleのシステムが数ヶ月単位で再評価するのを待つ必要があると案内されています。次回のスパムアップデートや継続的な再クロールのタイミングで反映されるケースが多く、即効性のある回復手段は存在しません。だからこそ、違反の芽を早く摘むことが重要です。
Q4. リンクスパムは対象外なら、被リンク施策は放置でよいですか?
A. 今回の更新では対象外と報じられていますが、リンクスパム自体は引き続きポリシー違反であり、別のアップデートや常時稼働の検出システムの対象です。購入リンクや過剰な相互リンクに心当たりがある場合は、今回の対象外かどうかにかかわらず整理すべきです。
Q5. 影響を受けたかどうか、自社で判断できない場合は?
A. 下落の時期・対象ページ・原因の切り分けには、Search Consoleとアクセス解析の突き合わせが必要です。MyChoiceでは医療機関・店舗ビジネスを対象に、アップデート影響の無料診断を行っていますので、判断に迷う場合はデータを拝見したうえで対応の優先順位をご提案します。
まとめ
2026年6月スパムアップデートは、6月24日から約2日間で完了した「違反検出の強化」であり、5月コアアップデートと合わせて見ると、Googleの方向性は一貫しています。すなわち、実体験と専門性に裏打ちされた独自コンテンツを評価し、順位操作目的の量産コンテンツを排除する、という流れです。生成AIの普及でコンテンツの「量」の価値が急速に下がるなか、医療機関や店舗ビジネスが取るべき戦略は明確で、現場にしかない一次情報・症例・こだわりを、責任の所在を明示しながら発信し続けることです。影響を受けた場合も、慌てず原因を切り分け、数ヶ月単位の回復シナリオで着実に改善を積み上げてください。
